橙と酢橙、橙となつみかん、橙とみかん、橙とオレンジの違いについて徹底的に調べてみました!
とくに橙と酢橙の違いはいったい何なのか?についてはかなり悩みましたが解明しました!
そして夏みかんは夏だいだいと呼ばれていたことや、橙とみかんって実は同じなんじゃ・・・という疑問についても解明していきます。
まずは橙と酢橙の違いと、夏みかんとの違いについてご覧ください。
橙と酢橙の違い
まずは橙と酢橙の違いについてです。
先に答えを言ってしまうと、橙と酢橙は同じものを指します。
呼び名が違う理由をご覧ください。
酢橙
もともと、『酢橙』は原産地のアッサムから中国に伝わった種類の橙を示す、中国語だったようです。
インドから伝わってきた原種が派生を繰り返す中で見られる橙を酢橙と総称していました。
(公益財団法人中央果実協会のHPより)
現在の酢橙はちょっと違う意味でつかわれることが多いです。
高知県では果汁を絞って使う柑橘のことを『酢みかん』と総称します。
つまりゆずやカボス、スダチなど、実を食べるのではなくて果汁を絞って酢の代わりとして使うもののことを酢みかんと呼んでいるんですね。
それと同じで、果汁を絞って使う橙のことを『酢橙』と呼んでいる人が多いのです。
一説には橙と酢橙は別の種類なのか・・・という説もあるような雰囲気も出ていましたが、図鑑を調べても『酢橙』という種類は掲載されていませんでした。
(学研 学習科学図鑑『花(園芸植物)』より)
橙
公益財団法人中央果実協会のHPによると、橙には4種類あります。
- かぶす(臭橙)
- 回青橙(ザダイダイ)
- サワーオレンジ(ビターオレンジ)
- ブーケ
ですが、現在は①かぶすと②回青橙はごちゃまぜで流通しているそうで、とくにみんな気にせず、まとめて橙として使用しています。
③サワーオレンジは流通するというよりも公園の木や街路樹、民家の庭木として使用されていることが多く、
④のブーケは日本ではほとんど見られない品種だそうです。
つまり橙と酢橙の違いは呼び名の違いと言え、もとは同じ橙のことです。
橙と夏みかんの違い
橙と夏みかんはもともと別の品種です。
橙はインドから伝わってきた柑橘ですが、夏みかんは山口県で発見された日本原産種です。
ですが夏みかんも橙と同じように、同じ木に前年度の実と今年度の実がなり続けることから『夏だいだい』とも呼ばれています。
木もよく似ていて、素人が見ただけでは橙なのか夏みかんなのか見分けるのは難易度が高いです。
夏みかんはとても酸っぱくて収穫してすぐは食べられないので、冬に収穫したみかんを夏まで保存しておくか、
木になったまま夏まで収穫しないかのどちらかで熟すのを待ってから食べます。
とはいえそのまま食べてもとても酸っぱいのでジャムやマーマレードに加工して食べる食べ方が一般的です。
橙とみかんの違い
橙とみかんは見た目も味も全く違うので、違いは分かりやすいです。
写真だと分かりにくいですが、橙はいよかんと同じくらいの大きさです。
また橙はヘタのところがちょっと特徴的です。
このようにヘタの周りのところがぷっくりしていて、寝不足の目のような雰囲気が出ているのが橙です。
半分に切ると
橙からはこんな感じで種がたくさん出てきます。
みかんの写真はちょっと汚くて申し訳ないのですが、種はなく、実も橙ほど詰まっていないのでかたくないです。
橙はこのくらいに切って、絞って使います。
たった4分の1の橙から、ほんのり橙色の透き通った果汁がたっぷりとれます。
また夏みかんのところでも書きましたが、橙はインドから中国を経て伝わってきた柑橘です。
一方温州みかんは日本の在来種ですので、まったくの別物なんですよね。
橙とみかんの味の違い
橙は皮も実もとても固く、非常に酸っぱいので酢の代わりやポン酢の代わりとして、果汁を絞って使います。
みかんは皮も実も柔らかくとても甘くジューシーなので、そのまま食べておいしいです。
お正月の鏡餅の上に乗せるのは橙
お正月の鏡餅の上に乗せるのはみかんではなくて橙です。
でも最近の鏡餅って小さくて、橙を乗せると大きすぎてちょっと・・・って思うことも多いんですよね。
昔の人はそんなに大きな鏡餅を作っていたのでしょうか・・・。
鏡餅の上に橙を乗せる理由は橙は縁起がいいからなのです。
橙は冬に実がオレンジに色づいたとき収穫しなくても、次の年の冬まで実が残っていて、
さらにその年にできた実も一緒に木になっているので
『二世代、三世代の実が一緒に木になる実=代々=橙』として、縁起物とされてきたからなんです。
最近では橙もそんなに簡単には手に入らなくなってきましたし、鏡餅は買ったもので済ます人も増えましたよね。
そんな流れで鏡餅の上に普通のみかんを置いて良しとしている人もいます。
縁起物というだけなので、現代ではとくにこだわらなくてもいいのかもしれませんが、日本の伝統的には橙を乗せるということを後世に伝えてもらえたらいいのではないかなと思います。
橙とオレンジの違い
橙とオレンジも全くの別物です。
だいだいはいよかんと同じくらいの大きさなので、オレンジの方がかなり小さいサイズなのが分かると思います。
オレンジもものによってはもう少し大きいサイズのものもありますが、一般的には橙の方が大きいです。
橙は果汁を絞って使うのに対して、ネーブルはスマイルカットにしてそのまま実を食べます。
オレンジは輸入物が多いですが、橙は国産のものが多く、オレンジと橙は見た目こそ似ているような気がしますが、全くの別物です。
また色鉛筆などに『橙色』と『オレンジ色』がありますが、この2つの違いはすごくわずかで、オレンジ色の方が多少濃い色をしていますが、プロでない限り見分けをつけることは難しいです。
ですから橙色とオレンジ色は同じ色と思っておいて大丈夫です。
橙と柚の違い
橙と柚は見た目も香りも味も全く違うので、この2つはすぐに見分けがつきます。
右:ゆず
左:だいだい
ゆずはみかんほどの大きさで、橙はいよかんほどの大きさなのでかなり大きさが違います。
また色が全然違って、橙は橙色ですが、ゆずは黄色です。
料理への使い方としてはどちらも果汁を使う点では同じですが、柚は皮を削って料理の上にちょっとだけ乗せて香りをつけるといった方法も取られます。
橙は香り高いみかんといった感じですが、ゆずにはゆず特有の香りがあります。
橙と酢橙・夏みかん・みかん・オレンジ・柚の違い まとめ
橙とよく似た柑橘類の違いについて書いてきました。
橙は今ではあまり見かけなくなりましたが、一軒家の方などはお庭で育てている方もおおいかもしれませんね。
橙=代々ということで縁起ものですし、絞って醤油と混ぜると甘酸っぱいポン酢にもなります。
ぜひ橙はそのまま捨てずに、ポン酢にして使ってみてくださいね。
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